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子どものために考えたい!「足に合ったシューズを履くメリット」とは

シューズはサッカーにおける唯一無二の「頼れるギア」です。しかし、選び方を間違えると大きなリスクが生じるという事実は、あまり知られていません。成長期のお子さんを助け、足を正しく育てるシューズ選びのすすめを、日本体育協会公認スポーツドクターの資格を持つ若木均先生(わかきKidsクリニック院長)に伺いました。

わかきkidsクリニック院長 若木 均(わかき ひとし)

浜松医科大学卒業、慶應義塾大学病院小児科学教室入局、横浜市立市民病院元小児科医長、 日本小児科学会認定小児科専門医、日本体育協会公認スポーツドクター、 スポーツ鬼ごっこ担当講師
【わかきkidsクリニックHP】www.wk-c.sakura.ne.jp

オリジナルのオブリークラスト

日本の子ども独特の足形を考え、左右非対称にすることで指周りの窮屈さを緩和。自由に指を動かせることでアーチ低下を抑制し、疲れにくく健康な足を育成。

大人の足と子どもの足の違い

若木先生 人間の足は横幅に比べて縦幅の伸び率が大きいので、成長するにつれて縦長のフォルムになっていきます。だから、子どもの足は大人の足に比べて幅広な傾向が強いんです。ジュニア期ですと1年に1センチくらい縦に成長しますよね。また、アキレス腱などが発達することで、足裏のアーチも完成系に近づいていきます。
ヒュンメル スクールや大会等で子どもの足を見ていますが、大人の足とはやはり違いますね。先生のおっしゃった幅広足に加え、親指が一番長い『オブリーク型』と呼ばれる足型が非常に多いです。 私たちは単純に大人の足型をサイズダウンして子ども用の靴を作るのではなく、思い切って足幅の広いオブリーク型を採用することにしました。
若木先生 足の指でタオルをつかむ「タオルギャザー」というリハビリのトレーニングがあるように、足の指を動かす能力は足の機能を高め、運動能力を獲得するために非常に重要です。そういう意味で、幅広でオブリーク型というプリアモーレの設計に私も賛成です。足の指先で地面をつかむ感覚をとらえやすく、足裏全体で左右のバランスを取ることができるでしょうね。

足に合う靴とは

若木先生 かかとをしっかりと合わせて、足先に5~10ミリほどの余裕がある状態が、適正なサイズとされています。その上で、足指の動きにある程度遊びがあると靴がさらに良いですね。見落としがちなのがシューズの高さです。甲の高さや親指の大きさに合わせないと、窮屈さや痛みが生じてしまいます。

足に合わない靴を履き続けるリスク

若木先生 例えばソール部分が堅くて曲がらないような靴を履き続けると、かかとが浮いてつま先で地面を蹴るようになります。その結果、歩幅が狭くなったり、つま先がうまく上がらず「すり足」になったりすることが考えられます。
ヒュンメル 大会等で子どもの足を見ると、足の小指が内側に曲がる『内反小趾』や、足指が地面に接地しない『浮き指』という症状が見られたりしますね。

少し大きめのサイズを選ぶことによるリスク

若木先生 半年後に適切なサイズになることを想定して靴を買って、その間はインソールで対応するという考え方もあるかもしれません。でもこれでは適正な位置に指が来ず、ソールがうまく曲がらないような気がします。また、あまりに大きい靴だと、自分の感覚と靴が地面を擦る感覚が違うことで、インステップキックのときにダフるかもしれませんね。私もかつて、大きい靴でプレーして「嫌だなぁ」と思った経験があります。
ヒュンメル おっしゃる通りです。私たちはサイズが合っていて初めて機能が発揮されるようにシューズを作っています。シューズが大きければ第一関節の位置もずれているわけですから、走りにくさや止まりにくさを感じると思います。ヒュンメルの契約選手であるサンフレッチェ広島の佐藤寿人選手は、とにかくピタッとフィットする靴を選びます。「ここの位置でボールを蹴ったらここに飛んでいく」という感覚をずっと同じように維持したいんだそうです。常に素足で蹴っているくらいの感覚を求めています。こういった感覚を足に植え付けていくための一つの手段として、足に合う靴を履くということを大切にしてほしいですし、靴選びも技術が上達する秘訣の一つだと信じています。
若木先生 そういう意味で、プリアモーレに0.5センチ刻みのサイズ展開があるのはありがたいですね。 幼稚園とか小学校低学年は1年に1センチ以上大きくなりますから、親御さんにとっても助かる存在でしょう。

衛生面の大切さ

ヒュンメル 今回のNEWモデルはインソールが取れるようにしているんです。他メーカーさんもやっているのですが、ヒュンメルはさらに抗菌消臭でクーリング素材、快適さを保つような素材を採用しました。お母さんの悩みとしてかなり多かったのが、実は靴のニオイだったんです。私の子どもも一日中同じ靴を履いているので、蒸れたニオイがひどいんですよ。
若木先生 ソールがウォッシャブルだといいですよね。子どもは汗の量が多いので。それに気に入った靴はずっと履いていますからね。

生涯スポーツとしてサッカーを楽しんでもらいたい

若木先生 ご家庭の経済状況もあるので大きくは言えませんが、シューズが合わず、お子さんがけがをして病院にかかる費用のことを考えたら、実は正しいサイズの靴を選ぶほうが結果的に安いかもしれません。何より、生涯スポーツとして長くサッカーを楽しんでもらうためにも、親御さんには小さいころからお子さんの靴選びを意識してもらいたいですね。